2013.04.27更新

(1)私が最近あるサイトで記事を作成したことがあるが、多くの人に興味のある記事であるのではないかと思われたこと、字数制限から十分な回答をできなかったことから、本ブログで記載することとしました。

(2)最近多くの人がインターネットを通じて商品を購入していることが多いですが、その際気に入らなかった場合にキャンセルできるのでしょうか。

 (ア)訪問販売などでは、8日以内であればクーリングオフできる制度がありますが、インターネット取引ではどうでしょうか。
 答えはインターネット取引は、特定商取引法上の通信販売に該当しクーリングオフ制度の適用はありません。訪問販売などの場合と異なり熟慮して購入意思決定をしていると考えられるからです。
 (イ)返品(キャンセルはどうでしょうか。
 業者は、約定があり返品できませんなどということがよくあります。
 しかし、特定商取引法によると、販売業者に広告において返品に関する特約を表示する義務を設けて(法11条1号4号)、消費者を保護しました。
 即ち、①返品できる特約があれば、その特約に従って返品できます。
 ②返品できない条件等を定め且つこれを広告において表示している場合には、返品できない条件に当てはまれば返品できません。
 ③返品できない条件等を定めていても広告において表示していないと、法15条の2第1項により、商品引渡又は移転を受けた日から起算して8日を経過するまでは返品できることとなります(但し、送料は消費者負担)。

 ですから、例えば、広告で返品できない条件等を表示していなければ、業者がいくらキャンセルできませんと約定で定めたり通知したりしても、消費者は返品(契約の解除)ができることになります。

(3)注文するつもりのない商品を見間違えてクリックしたり、商品の個数を間違えて購入した場合、消費者はどのように保護されるでしょうか。

 この場合、意思表示に錯誤があるとして錯誤無効の主張ができるかが問題となります(民法95条)。
 要素の錯誤にはあたるでしょう。
 ところが、間違えてクリックしたり個数を間違えたという場合、重過失ありとして錯誤無効の主張ができないのではないかが問題となります。
 この点、ネット取引の特徴から消費者が誤入力・誤送信し易い特性に鑑み、電子契約法において消費者保護の規定をおいています。即ち、事業者による「確認措置の提供」がなかった場合には、重過失がありとの主張ができないとされています(同法3条)。
 ①当該操作が商品を選択する操作であると明確に認識でき、②最終申込前に再度意思確認画面が表示され、③訂正の機会が与えられた場合に初めて「確認措置の提供」があったとされまました。
 
 ですから、間違えてクリックした、個数を間違えたというような場合に、その事業者において上記確認措置の提供をしていなかったとき、事業者は重過失の主張ができませんので、消費者は、錯誤無効の主張をして返品することができることとなります。

 なお、確認措置の有無に関係なく、(2)に記載した返品(契約解除)を行うこともできます。
                                                                            以 上

投稿者: 弁護士法人西田広一法律事務所

2013.04.27更新

(1)私が最近あるサイトで記事を作成したことがあるが、多くの人に興味のある記事であるのではないかと思われたこと、字数制限から十分な回答をできなかったことから、本ブログで記載することとしました。

(2)最近多くの人がインターネットを通じて商品を購入していることが多いですが、その際気に入らなかった場合にキャンセルできるのでしょうか。

 (ア)訪問販売などでは、8日以内であればクーリングオフできる制度がありますが、インターネット取引ではどうでしょうか。
 答えはインターネット取引は、特定商取引法上の通信販売に該当しクーリングオフ制度の適用はありません。訪問販売などの場合と異なり熟慮して購入意思決定をしていると考えられるからです。
 (イ)返品(キャンセルはどうでしょうか。
 業者は、約定があり返品できませんなどということがよくあります。
 しかし、特定商取引法によると、販売業者に広告において返品に関する特約を表示する義務を設けて(法11条1号4号)、消費者を保護しました。
 即ち、①返品できる特約があれば、その特約に従って返品できます。
 ②返品できない条件等を定め且つこれを広告において表示している場合には、返品できない条件に当てはまれば返品できません。
 ③返品できない条件等を定めていても広告において表示していないと、法15条の2第1項により、商品引渡又は移転を受けた日から起算して8日を経過するまでは返品できることとなります(但し、送料は消費者負担)。

 ですから、例えば、広告で返品できない条件等を表示していなければ、業者がいくらキャンセルできませんと約定で定めたり通知したりしても、消費者は返品(契約の解除)ができることになります。

(3)注文するつもりのない商品を見間違えてクリックしたり、商品の個数を間違えて購入した場合、消費者はどのように保護されるでしょうか。

 この場合、意思表示に錯誤があるとして錯誤無効の主張ができるかが問題となります(民法95条)。
 要素の錯誤にはあたるでしょう。
 ところが、間違えてクリックしたり個数を間違えたという場合、重過失ありとして錯誤無効の主張ができないのではないかが問題となります。
 この点、ネット取引の特徴から消費者が誤入力・誤送信し易い特性に鑑み、電子契約法において消費者保護の規定をおいています。即ち、事業者による「確認措置の提供」がなかった場合には、重過失がありとの主張ができないとされています(同法3条)。
 ①当該操作が商品を選択する操作であると明確に認識でき、②最終申込前に再度意思確認画面が表示され、③訂正の機会が与えられた場合に初めて「確認措置の提供」があったとされまました。
 
 ですから、間違えてクリックした、個数を間違えたというような場合に、その事業者において上記確認措置の提供をしていなかったとき、事業者は重過失の主張ができませんので、消費者は、錯誤無効の主張をして返品することができることとなります。

 なお、確認措置の有無に関係なく、(2)に記載した返品(契約解除)を行うこともできます。
                                                                            以 上

投稿者: 弁護士法人西田広一法律事務所